琉球大学でいご会とは


自分の遺体を琉球大学の医学教育・研究及び県内医療系養成機関のために役立てようとする心を持つ方々が集まり「琉球大学でいご会」をつくっています。これらの方々は、ご本人はもとよりご家族の良きご理解のもとに本会に「献体」を申し込まれた方々です。
  このような組織は他の大学にもあり、全国的な組織もあります。組織こそ違ってはおりますが、会員の方々の心は一つになっております。
  「琉球大学でいご会」に入会するには、ご家族のご理解が必要なうえ、それを明らかにした書類上の手続きが必要です。しかし、面倒な手続きではなく、ご本人の署名、押印、ご家族の同意の署名、押印が必要なだけです。(現在入会停止のため受付を行っておりません)
  「琉球大学でいご会」に入会ご希望の方は、入会申込書と同意書に必要事項を記入し、押印して、事務局へ送ってください。分からない点がありましたら、電話か郵便で「琉球大学でいご会」事務局にご連絡ください。
琉球大学でいご会事務局(琉球大学医学部学務課内)
 〒903-0215 沖縄県西原町字上原207番地  電話 098-895-1078         
献体とは
 自分の遺体を医学教育・研究の為に無償で提供することを生前から約束し、実行することが「献体」といわれる行為です。
 医師になるためにはどうしても人体の構造を知らなければなりません。人体の構造を良く知った医師は、病気の原因や、患者さんの具合の悪いところを早く見つけ出して適切な治療を行ったり、さらには予防することが出来ます。人体の構造を知ること、それが医学の基礎といわれる解剖学です。そして医学生が実際に人体を解剖して造化の妙を知り、生命の尊厳に触れることの出来る唯一の場が解剖学実習です。したがって、献体は遺体を提供するにとどまらず、医師の倫理の涵養に計り知れぬ大きな役割を担っているといえましょう。
 「献体」について深いご理解と格別のご協力を寄せられ、自分の遺体を琉球大学の解剖学実習に提供してくださることを生前から約束して下さった方々の会が、「琉球大学でいご会」であります。 
琉球大学におけるご遺体のお取り扱い
 ご遺体の取り扱いは、法律(「死体解剖保存法」等)により厳格に規制されております。本学ではこれらの法律に従うことはもとより、教職員及び学生共々、御霊に対して深い敬意と感謝の念を忘れずに、次のようにご遺体のお引き取り手続きをいたしております。
Ⅰ ご遺体のお取引き手続き
  何はともあれ、まず、本学でいご会事務局までご連絡下さい。
  ○勤務時間内(平日 午前8時30分~午後5時15分)                                                     
       連絡先:琉球大学医学部学務課内 献体担当 098-895-1053
  ○勤務時間外(上記時間以外)土曜・日曜・祝祭日の場合は 
   連絡先:事務当直 (代)098-895-3331

 ご遺族がご連絡くださる場合
 
でいご会会員がお亡くなりになった場合
 ご遺族からご連絡をいただき次第、係員が電話で、若しくは直接ご遺族にお会いして、ご遺体の提供を確認させていただいた上で、引取りの時間、方法などをご相談してから、ご遺体をお迎えに参ります。
Ⅱ ご遺体のお預かりの実際
 ご遺体をお迎えする時間は、お亡くなりになった後、速やかにご遺体の防腐処理をする必要がありますので、なるべく早い時間にお迎えするようにしております。
 しかし、ご遺族のご希望がございますときは、ご自宅で最後のご対面を済まされたあとでお引き取りすることも可能です。お預かりしたご遺体は直ちに防腐処理を致します。解剖学実習には、約半年間を必要とします。亡くなられた時期や解剖学実習の期間とのかねあいで約3年~4年にわたってお預かりすることもあります。
Ⅲ 解剖学実習及び見学実習
 系統解剖学実習では、医学科の1年生の4人から5人にご献体1体の割合で実習を担当させていただいています。現在の実習期間は、10月から2月までの5ヶ月で、午後の3時間あまりを使い、35回の実習を行います。また、保健学科1年生も週に1回参加しております。臨床の医師も参加しています。さらに、コメディカルという医療関係養成学校生の見学もこの間をぬって実施しています。具体的には琉球大学医学研究科修士課程学生、そして県内の医療関係養成学校生、とくに、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士養成課程の学生を対象としています。別の機会にも、6年生の臨床解剖学実習を行っています。このように、解剖学実習は、1年生にとっては、数年後の未来の医師を目指して基本を学ぶこと、6年生にとっては、臨床医学の基本を学んだあと、人体解剖学の知識を再確認することに役立っています。また、耳鼻咽喉科や整形外科など臨床の医師にとっては、まさに患者様の明日の医療のためということになります。このように、解剖学教授自ら指導のもと、沖縄県全体の医療水準向上のため、しっかりとした実習と見学を行っております。
 実習が終了するとご遺体は、医学生と教職員の手によって、丁寧に棺に納められます。火葬の日には、ご遺体は、大学から霊柩車により浦添市の「いなんせ斎苑」に運ばれます。そこで、ご遺族のもと、医学生のみならずでいご会の役員や学務課職員も参加し、火葬を行っています。
Ⅳ ご遺体をお引き取りできない場合
 次のような場合には、残念ながら、ご遺体をお引き取りできない場合もあります。
1.
亡くなられてから、時間が経ち過ぎた場合(おおむね24時間以内ならば可能)
2.
死因等に疑問が持たれ、司法解剖/行政解剖または病理解剖に付される場合
3.
重大な感染症の存在が予想される場合
4.
臓器提供される場合
5.
その他解剖実習用の遺体として不適切な場合
いずれの場合も、ご連絡を受けた際に、詳細についてご相談いたします。
     
Ⅴ ご遺骨の返還
 解剖学実習が終わったご遺体は、本学の費用で火葬場にて荼毘(だび)にふし、ご遺族にご遺骨をお返し致します。
 
 でいご会会員の方が亡くなられ、解剖に付されますと、ご遺骨をお返しする時にご遺族の希望を確認の上故人宛てに文部科学大臣の感謝状が贈られます。
Ⅵ 「献体者の碑」

 納骨堂敷地内に、成願されました御霊を永遠に称える「献体者の碑」があります。県の「平和の礎」を模して黒御影石でできた碑には、これまでに成願されました665柱が刻銘され、平成18年10月31日に除幕式が執り行われました。刻銘希望については、でいご会入会時に、ご本人様に確認し、献体された年ごとに追加刻銘して顕彰致します。

















   

 慰霊祭
 ご遺体をお預かり致しますと、故人の霊に対し毎年本学の主催で慰霊祭が行われます。慰霊祭には、本学教職員、学生はもとよりご遺族の方にも多数ご参列頂き、供養を行っております。
 



Ⅷ 火葬式
 毎年、4年次基礎研究解剖実習の終了に伴う4月と、2年次系統解剖学実習の終了に伴う2月に、ご遺族、解剖学実習に携わった学生及び学校関係者、でいご会役員の参列のもと、一体ごとに解剖体火葬式が浦添いなんせ斎苑で執り行われます。